たくや

異人たちとの夏のたくやのレビュー・感想・評価

異人たちとの夏(1988年製作の映画)
3.7
同じマンションに住む女性と出会ったが少年期に亡くした両親がこの世に現れ、両親と女性との出会いが不思議な体験を引き起こすことになるミステリーサスペンス。
両親と自分が同世代で会い親同然の振る舞いに不思議な思いをした。かまってほしい女性との出会いが恐ろしい展開になることを予想できず、とても驚きだった。そして近代化してしまった今とは違う当時の浅草の雰囲気に懐かしさを感じる。演芸場や映画館、煎餅を焼くシーンは風情があって良い。ビールの自販機で父と子が一緒に飲むなんてなかなかない。親に名字を聞く子がいないのに聞くってそりゃそうだと思った。
すき焼き今半別館の鍋を囲むシーンはこの映画のクライマックスであり、とても感動したし泣けてくる。親がいることが有り難いが、無ければ有難みを感じるそんな中年の性を感じる。
たくや

たくや