矢吹健を称える会

暴力団再武装の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

暴力団再武装(1971年製作の映画)
3.0
 異色やくざ映画というのもたくさん見てきたつもりだが、いやこんなやくざ映画ははじめてだ。本当に異色だ。何しろ若山富三郎が労組の組合長(!)となり、ストライキの陣頭に立つという……そして放水されたりするという……。社会派だこれ。さすが東大出身の佐藤純彌監督ですナ。
 「組合長になるより組長になれ」という笑える台詞が出てくる。尤も映画としては終盤の瓦解に性急さばかりが見え、あまりピンと来ない。『博徒斬り込み隊』や『実録私設銀座警察』のハチャメチャのほうが好きだ。

 近衛十四郎がどうでもいい役をどうでもいいテンションで演じている。やくざ映画以後を生き抜けなかった理由がよくわかる。