【ジョークナイト ランニング】
『ライジング』がしょっぱい出来だったので、中和しよかなと久々に再会。
60年代ドラマ化時の映画版。コメディ、というよりコントの域ですなコレ。クールなふりしたオヤジギャグが連発され、お洒落なふりして脱力できます。
ノーラン三部作でアタマ硬直しちゃった方は、試す価値、あると思います。あはははバットマンって昔こんなもんだったんだー、とほぐれますよ脳が。
ゴッサムシティに事件発生!で、まさしくレトロフューチャー・デザインのリンカーン・フューチュラ改造カーで駆けつけるバットマン&ロビン!という辺りまでは、当時ならまあカッチョイイのでは。本人たちマジメだし。
が、アホやビザールを愛する者へ捧ぐ!と冒頭で宣言された本作、あっちゅう間に本性むき出しになりますねー、もー、コテコテですわ。
バットマンもロビンも、警察も、バートン版以降と違いまったく悩まず、すがすがしく悪に立ち向かう正義漢なんですが……アホなんです。
犯人の正体を掴もうと、まるくなっていろいろ推理するんですが、ダジャレのしりとりかよ!みたいな推理法で、プロファイリングするのです。で、これが困ったことに、当たってしまう!(驚)…だからアホに気づけない!
一方、THE MOVIEということで豪華に、ヴィランがオールスターで集結し、悪人同盟を結成しますが、ダジャレで正体バレる程…やっぱりアホなんです。
ペンギン、ジョーカー、リドラー、キャットウーマン…実に豪華なAHO TEAM!協調性皆無で、仲間割れバトル始まっちゃう所は、まるでアベンジャーズ!
ペンギンを名優バージェス・メレディスさんがやってるのがなんかスゴイ。キャットウーマンのリー・メリウェザーさん、正統派美人という感じですが、ちょっとトウが立ち気味。でも、その分おっぱい立ってるので差引ゼロです。ハニートラップを堂々とやるキャットウーマン、というのは時代ですねえ。
で、これにウキウキ引っかかるのがだーれだ、というのは笑いどころ。
他、笑いどころ多々ありますが、バット・ブランドの徹底ぶりがスゴイです。登場するバットツールがすべて、ブランド品なんですね。
バットボートやバットコプターなどは、まだ可愛いものですが、ただの梯子に看板貼っただけの、バットはしご、まで揃ってます!害虫退治用らしいバットスプレーも各種あり、本作ではサメ用が大活躍!豊富に取り揃え過ぎ!
…でも、こうしてブランディングを貫いたことが、いまも途切れない、人気の秘密かもしれません。
今回見ていて謎だったのですが、バットマンの顔に眉毛があるんですよ。これ、どんな機能が隠れてるんだろう?見てると笑っちゃうんですけどね。
でヒーローである彼、『ライジング』の某見せ場とおんなじことやってます。こっちは頭の上に抱えて、港をあたふた走り回るだけなんですけど、要は同じ演出だから、ノーラン版の枯渇ぶりが身にしみてしまいました(笑)。
クライマックスの脱力ぶりもスゲエ!皆が唖然としている隙に、とてつもない言い訳を呟き、コソコソ消えゆく我らのヒーロー。ある意味、『ダークナイト』を凌駕しています。
そして画面にでっかい「?」が現れるから、続編希望感がRISEする(笑)。スピンオフでもいいから、シリーズ最新作はこれ方向でやってくれない?
<2012.8.31記>