わがはい

MEMORIESのわがはいのレビュー・感想・評価

MEMORIES(1995年製作の映画)
3.9
1988年のエポックメイキングな『AKIRA』制作時において大友自身が「すべてをやりすぎた」ことへの反省を起点に、複数の監督・作家によって構築された1995年公開のオムニバス映画。

①彼女の想いで
これは原作の大友でも監督を務めた森本でもなく、脚本を書いた今敏の作品であると感じた。
絵のタッチからストーリー展開までまごうことなき今敏である。
そしてクールなバッドエンド。

②最臭兵器
一般的にはギャグ的なストーリーで重めのオムニバスの中和剤のように語られているが、個人的にはこれが一番ホラーでシリアス。
昨日までの同僚が全員逝き、結局何も解決されず、もう家族とも会えないなんて全然笑えなかった。

③大砲の街
社会風刺的作品。もっとも短時間だが挑戦的な小品である。
だれとなにと戦っているかも分からずに大砲を撃つことに毎日当たり前に加担する様は、目的も分からぬまま給料を貰うことだけを理由に、ロボットのように作業する現代のサラリーマンにも通ずるテーマである。

総じてmemoriesはクールなバッドエンドだ。
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