Habby中野

黒い太陽のHabby中野のレビュー・感想・評価

黒い太陽(1964年製作の映画)
4.2
もうヘロヘロ。まるでまさにあの時代、ジャズとドローランにやられたあの時代のように。
黒人はみんなおれの友達なんだよ!ユーアーマイフレンド!フレンドだよ!アイラブユー!太陽にかざされた「Black Sun」のレコードジャケットにシビれ、黒人ラブのモダンジャズにシビれる。なまっているのか全く何を言っているかわからん黒人と、そもそも聴き取る気もない川内民生のあの何とも言えん表情。一生成り立たない会話の中で、理解し合うでもなく、行き場を失う二人。みんな何か重いものにのしかかられ、知らんぷりしてヘロヘロになる。
ジャズ、ジャズ、そしてジャズ。心からのリスペクトの中で白塗りピエロの黒人と黒塗りの黄色人。黒人の求める海は澱み汚くそれは哀しい。ジャズレコードも汚れ沈む。黒人のあの慟哭と歌と銃と黒い太陽。そして、信じられないあのラスト。一体もう何だってんだ、すごすぎるよ!情けないと思っていた川内民生の表情、気がついたらぼくも同じ顔をしていた。チクショー!チクショー!Black Sunに心から呑み込まれてしまいそう。
Habby中野

Habby中野