takanoひねもすのたり

夢みるように眠りたいのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

夢みるように眠りたい(1986年製作の映画)
3.4
あの頃の果たせなかった夢を、最期にもう一度夢見たい。

昭和30年頃、私立探偵の魚塚(佐野史郎)は月島桜という老女の執事から、誘拐された孫の桔梗を探し出して欲しいという依頼を受け、助手の小林と共に浅草を駆け回る。

モノクロ、サイレント、大正時代の残り香、活動写真、活動弁士、手品師、神社の屋台、回転ごま、完成させられなかった映画、問いたかった台詞、女優の最期の夢で最期の出演、未完だった作品を監督がようやく撮り終えることができた映画。

「現が夢でなければね」

現が夢のような物語。

何かの特集番組でラストに近いあるシーンだけ見たことがあり、タイトルも監督も分かっていたのだけれどなかなか観る機会がなかった作品。

観れて良かったです。
映像の美しさはもちろん、細かな美術に心惹かれました。
物語もみな優しく美しい。

小林助手が喧嘩に強く乱闘を軽業でいなす場面が小気味よい。