ラストの曲は圧巻で、否が応でも盛り上がる。チャイコフスキー最高。ただストーリーとしては、さすがに音楽を舐め過ぎでは？と全然乗れなかった。
本番に至るまで一切全員での演奏を一度もしない楽団。過去に演奏していたから身体に染み付いているとは言え、30年前の話。結局主人公は今回音楽的に何をしたのか。本番で指揮棒を振り回すことが指揮者の仕事ではないと思うのだが。バラバラのみんなの心を一つに仕上げていく過程が欲しかった。結局アンヌのバイオリンに感化されて上手くまとまっただけ、という展開では、指揮者の存在意義は無い。
フランス映画だそうで、ロシア人とユダヤ人を馬鹿にし過ぎているのも気になった。全体的にあまり彼らの音楽に対する愛を感じられず、むしろ基本的には金にしか興味が無いように描かれていたと思う。あまりに下品で馬鹿にしている。特にあのユダヤ人親子の不快感は半端ない。レアのために、のメール一本で集結したようだが、そんなことは行く前から分かっていたのでは？言ってないなら説明しておけよ案件だし。普段はちゃらんぽらんでもこと音楽になると凄い、とかにしておかないと、まるで感情移入できない。バイオリン抜きではとても成立しないレベルとは、がっかり。
