HIRO

ソウのHIROのレビュー・感想・評価

ソウ(2004年製作の映画)
3.8
目が覚めると、老巧化したバスルームに横たわり、対角線上に足首を鋼鉄の鎖に繋がれた2人の男、ゴードンとアダム。そして間には自殺死体という理解不能な状況におかれた2人の男と、連続殺人犯を追う刑事を描いたお話。

なかなかよくできた作品でしたな\(^o^)/

高校生の頃よく「とんでもなくグロい映画を観たんだぜ(・`ω・)」とドヤ顔で言ってくる人が結構いまして。
その映画というのが何を隠そうこの「SAW」という作品。
まるで武勇伝を話すかのようにどれほどグロいかを力説されて、僕はそんなグロい映画は一生観ないだろうぁと思いながら上の空。
ただ、1作目はかなり面白いから観た方が良いということを方々から聞かされましてね。取り残されるのはあまり好きではないので勇気を出して観てみましたよ。
その結果、グロさはほぼ皆無で、今まで躊躇っていたのがアホらしくなって悔し涙を流しましたよ(T ^ T)
とりあえずドヤ顔で自慢してきたそいつを、これからそいつを殴りに行こうかと思った次第♪

とまぁくだらない前置きはさておき、かなり緻密な内容だったと思いましたね。
伏線の貼り方は絶妙で、103分間無駄なシーンが一切無いのでびっくりしました∑(゚Д゚)

謎の猟奇殺人鬼「ジグソウ」によって仕掛けられた残酷なゲームの数々はなかなか愉快でしたね♪( ´▽`)
カミソリワイヤーで囲まれた空間から裸で抜け出せるかなゲームや、顎に装着された逆トラバサミを解除できるかなゲームとか、どれもいい感じの悪趣味さで結構好きでした♪
胸糞悪くなるかと思ったけど、被害者のほとんどは自業自得でゲームに参加させられてるわけだからそんなには同情しないので、意外とサクサク見れちゃいましたよ。

そしてやっぱり見所はバスルームに監禁された2人の男の脱出できるかなゲーム。
限られた空間の中で、断片的なヒントを頼りに謎を解いていく過程は目が離せませんでした。
鎖で繋がれた状態で密室に監禁されたことよるパニック状態をかなり上手く表現していて、観てる方もゾクゾクさせられましたよ(*_*)

僕が好きなシーンはずっと冷静を保っていたゴードンの哀れなパニクり方。
なかなか酷な末路を辿るわけですが、何となく滑稽に見えてしまって爆笑してしまいましたよ(≧∇≦)
しかも顔面蒼白でフラフラになる姿はゾンビにしか見えなくて、めちゃくちゃ面白かったです(^o^)


理不尽なゲームの数々だけど、殺人自体がジグソウの目的ではでなくて、実は生きていることに感謝しない奴らへのお仕置き。

意外と良いことを言ってるような気がするジグソウだけど、その思想にはあまり魅力を感じないんですよね。
「被害者を死と向かい合わせることによって、今ある与えられた生命の尊さを理解させる」ということをテーマにしてるわりにはあまりにもジグソウからの一方的な主張でしかないので、ジグソウのやっていることに意味があるように見えるどころか、ジグソウの独りよがりにしか見えないので、一連の猟奇殺人に全く納得できないんですよね。

おそらくジグソウの哲学的な思想に触れたことによって生命の尊さを考えさせられる作品というよりは、どのようにしてジグソウが人々を残酷に殺していくのかということを楽しむエンターテインメント作品なのかもしれないですね。

全体的に「セブン」の焼き直しのようにしか見えないものの、オチは斬新。
ただそのオチはかなり無理矢理で「え⁇」というより「は⁇」という感じというか。
無理を通せば道理が引っ込むとはこのことで、細かいことに目をつぶればそれなりには衝撃的なんじゃないですかね。

まぁ続編でそういった疑問点をしっかり回収してくれるわけですが、元々続編なんか作る気は無かったらしいので、それを考えるとなかなか粗のあるシナリオなのかもしれないですな。

ただ、初監督にも関わらず低予算でここまでのクオリティの作品を作ったジェームズ・ワンは流石!
チープさや荒削りさを感じさせることはないし、恐怖を煽る演出は素晴らしかったと思います。

ということでツッコミどころがかなり多い気がしないでもなかったんですけど、僕はそれなりには楽しめました\(^o^)/
直接的なグロ描写もないので、二の足を踏んでる人も勇気を出して観てほしいですね♪
これから続編を観ていこうかは結構悩むけど、余裕があれば制覇してみたいと思えるほどにハマってしまった作品でした♪( ´▽`)



2016-67
HIRO

HIRO