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オーメンのHIROのレビュー・感想・評価

オーメン(1976年製作の映画)
4.0
6月6日6時。妻が死産した駐英大使ロバートは、同じ日に生まれた孤児を引き取りダミアンと名付け育てるのだが、彼のの周辺では不吉な殺人事件が多発。実はダミアンは地上に復活した悪魔の子だった...というお話。

好きなホラー映画の1つになりました!

「666=悪魔の数字」ということを身近に感じさせてくれる作品なんじゃないですかね。
6月6日6時に産まれたダミアンを巡って起こる数々の事件はそこまでショッキングではないものの、強烈なインパクトを残してくれていました。
ダミアンの誕生日の日に乳母が突如自殺したり、母親が転落事故に遭ってしまったり。
特にインパクトがあったのは、避雷針に串刺しになって死ぬシーンとガラスが落ちて来て首チョンパになるシーン。
1976年の作品とはいえしっかりとしたゴア描写を表現しているのはビックリしましたね。普通にドキッとしてしまうかも知れません。

大事に育て来た我が子が実は悪魔の子だと知り、どう行動を起こしていくのかという父親の苦悩が描かれていました。
悪魔を消し去るとはつまり我が子を殺すということ。
悪魔とはいえ、このことがどれだけ大変な事かが伝わって来るんですよね。
素晴らしいのはダミアンの周りで発生する事件がどれも頂上現象的な出来事ではないということ。
というのも、1番最初の事件である「乳母の自殺」以外はどれも偶然として片付けられることばかりなんですよね。
ということは一連の事件は実はダミアンの仕業ではなく、ただの偶然の事故だったのかも知れないと考えることもできるんですよね。
だからこそ、ダミアンは本当に悪魔の子なのか、本当に殺してしまってもいいのかと考えさせられてしまうわけですよ。

父親を含め周りの人間達は一連の事件を悪魔の仕業だと思い込み、何の罪もない1人の子供を葬ろうとするとてつもなく恐ろしい物語に見えないこともないんですよね。

まぁ続編の存在から察するにダミアンは完全なる悪魔である事は間違いないわけですが、ダミアンの正体についての謎を最後まで引っぱってくれるので全く飽きない面白い物語に仕上がっていると思いました。
あまりにも宗教感の強い作品になっていないのも楽しめる要因だったのではないかと思います。

ダミアンの乳母として突然やって来る悪魔の使い・ベイロック夫人は何となく不気味なオーラを放っているところが素晴らしかったりなど、数々のおどろおどろしい演出が物語により一層恐怖を与えていました。
不気味な余韻を残すラストもかなり好きです。

唯一残念なのはダミアンがあまりにも可愛い過ぎて悪魔というよりただの天使に見えてしまうこと。
不吉な出来事のせいでダミアンが怖く感じるだけて、ダミアン自身に恐怖要素が無かったのが物足りないかも知れないです。

後のオカルト映画に影響を与えたことは確実で、ホラー映画の代表的な作品と言っても過言ではないはず。
ホラー映画が苦手な人でも観て欲しいと思いました。



2015-91
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