ゾロ

動乱のゾロのレビュー・感想・評価

動乱(1980年製作の映画)
3.5
昭和のクーデター
5.15事件から2.26事件迄の物語
主人公が陸軍大尉の為、2.26事件をメイン

皇道派の目的は、天皇中心の政治であったが
クーデター発覚直後に、天皇より賊軍認定され
事態はあっさり鎮圧

陸軍上層部が自分たちを自決させようと
しているのは、トカゲの尻尾切りと察し
法廷の場で、思いを伝えようと考える

しかし、公的記録が完全非公開の
"暗黒裁判"により、思いは伝えられず
青年将校達17名は死刑になった

主人公の陸軍大尉は寡黙だが人望が厚い人格者

そんな主人公に寄り添う不憫な女性を
吉永小百合さんが演じる
何と、可憐で可愛く美しい
北川景子さん似てるなぁ

このクーデターを失敗と思うのか?
時間軸で考えると失敗とは言えないのでは?

この後、皇道派は追いやられ
統制派が陸軍内だけでなく政治面でも
強い影響力を持つ様になり、軍国化していく
それは太平洋戦争まで、続く

成就しない事を失敗と思い諦めるのでは無く
反省、分析、対処して、次に活かせば失敗とは
言えないのでは無いだろうか?

未来の行動次第で
失敗は失敗でなくなる

また、切り取る時間軸の問題でもある

日清、日露、第一次大戦の勝利と特需により
政治における軍の威光は強くなったが
国際批判、国連脱退、軍縮で軍の力だけでなく
日本の国力も弱まりつつあった中で、
再度、軍が力を持つ時代になった事は事実

点か?期間か?未来か?
区切る時間軸で失敗か?成功か?
どちらにも判断出来ない


ただ、人を殺めた者達が力を持ったとしても
しっぺ返しを喰らってしまうだろうし
その者達による統治は永続きはしないと思う
ゾロ

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