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紙屋悦子の青春のimaponのレビュー・感想・評価

紙屋悦子の青春(2006年製作の映画)
4.2
原田知世、芸能生活35年を記念しての特集上映にて。

昨年の傑作「この世界の片隅に」と同様に戦中の市井生活を綴った作品であり良質な反戦映画といえる。

元は戯曲という事で、なるほど登場人物も舞台もシンプルで物語は実に静かに進んでく。
敗色濃厚の戦時下のお見合い話ってだけである。
ところがこれは背景にある戦争の影が見え隠れする演出が絶妙なだけで、涙を誘わずにはいられない。

残念なのは冒頭とラスト。無理のある老けメイクの原田知世と永瀬正敏の病院屋上での鹿児島弁のやりとり。
長い夫婦生活の始まり部分を切り取った物語ではあるけれど、あの冒頭とラストは無くても充分成立できると思うのだが・・・
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