“太陽 月 星
そして
雨 風 虹 やまびこ
ああ
一ばんふるいものばかりが
どうして いつも こんなに
一ばんあたらしいのだろう”
(まどみちお 『どうしていつも』)
古いと新しいとは、真逆なようで時に表裏一体の概念だったりする。特に芸術作品の場合は。
本作は、モノクロのサイレント映画だが、何と言ってもそれが「新しい」表現なのだ。
モノクロサイレントにすることで、物語はかなり一般化されたメロドラマになっているが、翻せばそれは余計なものが排除された、上質で純粋な物語ともいえる。
古いと新しい。その二つが実は同じものなのだという、驚きと喜びを改めて体感できる作品。
公開:2011年(仏)
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
出演:ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ
受賞:アカデミー賞作品賞・監督賞・主演男優賞ほか5部門、英アカデミー賞作品賞・監督賞・男優賞ほか7部門、カンヌ国際映画祭男優賞・パルムドッグ賞、ゴールデンカラー賞劇場映画犬賞ほか。