イトウモ

マックス、モン・アムールのイトウモのレビュー・感想・評価

マックス、モン・アムール(1986年製作の映画)
4.0
R.I.P. J・C・カリエール

外交官の夫が美人妻のシャーロット・ランプリングをチンパンジーに寝取られる。
めちゃくちゃな設定だが、大真面目に不倫劇として進む。
夫は寛大さを装って、妻が密会するマックスを家に迎え入れ、檻付きの部屋まで用意するが、夫がマックスへの嫉妬をむき出しにしたところで、妻は子供を連れて檻の向こうへ家庭内別居を始める。

夫が猿を受け入れたことで一気に大団円に進む。

病気の母の元へ旅立っていた妻を迎えに行って、一度いなくなったマックスがこっそり家族の乗る車の屋根にやってくるところからラストまでの多幸感がやばい。

室内に誰がやってくるのか、脚本は部屋の中で起きることに意味があるドラマだが、撮影は屋外の方がいい。
路上へ逃げるマックス、木を登るマックス、車に降臨するマックス。野外(の猿)へ憧れる部屋の中の人間のドラマ

たまたまヴィスコンティの『イノセント』の後に見た。浮気夫への腹いせに間男と密会してトラブルを招く妻の物語。相手が猿だとこうも違うのか