Jin

サムサッカーのJinのレビュー・感想・評価

サムサッカー(2005年製作の映画)
3.5
”認めたくないが、俺たちみんな、怯えた小動物さ”
“大切なのは答えなしに生きる力だ”


人生の意味とか夢とかを大きく語る映画が多い中で、妙に納得のいく物語だった。
答えなんてないのに皆なにかを求めてる感じ、世の中は「焦り」で溢れてる。例外なく、自分も。

しっかりした弟がとても好きだ。
飄々とし続けて、
“おかげで僕はしっかりしていなきゃいけない。みんな兄貴の心配で忙しいからね。”
なんか、すごい刺さった。少なからず、次男ってこういうとこあるよな。

あと、心理学とか催眠療法を何となくバカにしてしまう感じは、世界共通なんだなと感じた。キアヌ・リーヴスって変なやつの役似合うなあ。


マイク・ミルズの作品は、とってもシンプルで綺麗。
余計なBGMやカメラワークを使わずに、シンプルな景色の中で物語が進む。登場人物の顔を大きく映すから、表情での表現が多い。そのためか、瞳が綺麗な人が多く出てくる。
色は多く無いけど緑とピンクをうまく使うから、ちょっと北欧映画みたい。
そして、登城人物が皆んな良い人で、皆んな不器用なのがとっても人間臭くていい。


ただ、マイク・ミルズの作品、ちょっと苦手。
というのも、静かで小さな声で話すシーンが多いから集中しなきゃいけないのに、シーン切り替えがすごく多いことで展開がものすごく早い。それによって、すごい長い映画に感じるから、観終わるとどっと疲れる。


あと、この映画は、短いのにちょっと登場人物が多かったかな。
もっと家族の話にした方が見やすかったかもしれない。
Jin

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