Jin

愛と法のJinのレビュー・感想・評価

愛と法(2017年製作の映画)
3.6
“日本には空気を読むという言葉がある。”
“常識ってなんですか?”



ゲイカップルの弁護士。担当するのはマイノリティの闘いばかり。2人が真摯に仕事に向き合う姿を淡々と描くドキュメンタリー。


登場する人々があまりにマイノリティすぎて、ついていけないところもあるけど、新しい世界をみたという感じ。

女性器で社会を皮肉る表現活動を行う「ろくでなし子」の裁判。
無戸籍者の戸籍獲得に向けた裁判。
同性愛の里親となるべく、手続きを行う2人の問題。

同性愛者の生活をリアルに見せられると、当たり前だが、「同じ人間なんだな」と感じてしまう。普通の趣味と日常、愛情表現。


その上で裁判は日本の社会のおかしさを絶妙に指摘したそれぞれ面白い内容だった。

過剰な下ネタへの反応と性教育の未発達。気持ち悪いほどの同調主義。
いまだ解決されない多くの無戸籍者問題。
同性愛パートナーをどこまで認めるのか。遅れた日本の寛容。

なんとなく見て見ぬ振りをしてきた人たちの、普通の生き方が映し出されていた。
力強かった。
Jin

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