髙橋佑弥

ボー・ジェストの髙橋佑弥のレビュー・感想・評価

ボー・ジェスト(1939年製作の映画)
3.0
変な映画。話は少々粗いが、演出ガンギマリ。病的なまでに執拗に繰り返される扉開閉/階段昇降がすごい。後半の砦パートは、カメラが一度も外へ出ず、同じ展開が部隊壊滅まで反復される閉塞徒労感。転げ落ちる次男&追いかける三男…砂丘カットバックが素晴らしい。

"兄弟映画"は大好物なのだが、"良く出来た脚本"を志向するあまり--ミステリ仕立ての筋書きもあいまって--、伏線回収に躍起になっている感じが少しくどい。弔いで閉じられる幼少期からの円環は良かったが、名前洒落オチは…然程でもなく。"手紙映画"なのが嬉しい…(文面が提示される/されない)。人死にまわりだけでももう少しロジカルならば、脚本への印象は全然違ったと思う。

2020/04/30
髙橋佑弥

髙橋佑弥