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机のなかみのxoのレビュー・感想・評価

机のなかみ(2006年製作の映画)
3.5
序盤は退屈だったものの、終わってみれば他作同様、吉田恵輔監督すごい!って気分になってしまった。
中盤に作劇上の大きな仕掛けがあり、「カメラを止めるな」くらい奏功しているとは思わないものの、"フリ"が効いてくる展開に。中盤以降は見応えがあった。

なにかの変化や意味を、言葉で説明せず表現することがうまい。階段登るときにスカートを〜とか、バッティングセンターで〜とか、"おまもり"とか、"ボールペン"とか。

終盤、部屋の扉が開けられ5人が揃い踏みしたシーンのカオスっぷりはすごい。「街の上で」の"あれ"を想起する名シーンだと思う。

にしても、他作とあわせて見ると、吉田恵輔監督のいやらしさがよくわかる。女子高生への欲情は「なま夏」だし、トイレシーンは「メリちん」にもあったし、男の身勝手な妄想や"魔が差す"感覚、後半の展開は「さんかく」を想起させるし、後半のエモーショナルな状況は「犬猿」にも通ずる。

個人的には、あべこうじは最初から下心全開で内的な葛藤がないのはもったいない気がしたし、主人公の子にしても、"だけどわりと急に距離詰めてたよね?"って気分になったり、気になるところはあった。。
後半のお風呂のシーンも、あれがあったことによる肯定的な効果があったかというと。。むしろ異常さが露呈していて、共感のできなさが高まっただけなシーンだったと思う。
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