机のなかみの作品情報・感想・評価

「机のなかみ」に投稿された感想・評価

り

りの感想・評価

4.0
本来当たり前のことなんだけど、それぞれの主人公の感情がそのまま他者の登場する割合に映し出されてるのがすごい
あと鈴木美生ちゃんのカラオケがほんとにかわいい
吉田監督の初期の作品ということで見てみました。
この頃から吉田節がありますね。
人間のクズの部分の描き方とか恥ずかしくなるような行動とか。
相変わらず人間の妙な悲しいポイント突いてくる笑
このどいつもこいつもって言うのがいいんだよなー。

だけど初期の作品だけあってどうも盛り上がりにかける。
構成とかおもしろいんだけど違う視点からとか。
なんか物語に少し退屈さがあった。「うわー」みたいのがあんまりなくて。

このあたりから「さんかく」とかにつながるんだよなきっと。
吉田節好きです。
あべこうじのゲス顔が似合う

前半はしょうもない家庭教師が生徒に恋するあほな話なのに後半を経てのラストはなんか変に泣けてくる。
この前半と後半の落差はこの監督の面白み。
シナリオの息抜きに観たけど死ぬかと思った。

吉田恵輔ずっと同じことしかしてないやん。恥ずかし死にするって。こんくらいわかりやすいと恋愛嫌いでも観れるわ。
吉田恵輔作品の中で一番好き。
初期作品だからこその粗さが登場人物のダメさ、でもどこか愛おしい感じとぴたりと呼応している。
自主映画が時にとてつもないマジックを起こすのは主にこの理由だと思う。
今後どんなに吉田監督が良い映画を撮ったとしてもこの映画がフィルモグラフィに輝き続けるのは間違いない。
…とまで言うのは褒め過ぎか?
でも少なくとも自分の中ではそれくらい愛らしいキュートな映画。
だらだらと人の中身を吐露してくれる演出は毎度見事だなあと感動する
俳優も楽しいだろうなあ
次男

次男の感想・評価

3.9
「めんどくせえわマジで…」って思っちゃった。そう思わされたことに、自分の都合のいい感情の変遷を露わにされちゃったみたいなバツの悪さを覚えて、でもなんだろ、共犯感というか、振り返ったら「思っちゃったっしょ?」って監督がニヤついてるから、「っス」って僕も悪い笑顔を浮かべる。この感じ観たひとはたぶんわかってくれるはず。特に男。性格悪い自覚あるやつみんな観ればいい。

僕ったら、前半は一緒に欲情して、後半では一緒に清楚きどって、結局最後には「めんどくせー」って辟易としてた。この感慨狙いなんじゃねえのかなあ。二段構造どころか三段構造じゃねえかなと。他の映画だったら「考えすぎか」と捨て置くところ、吉田作品だから「やりかねん」と思ってしまう。

◆◆

ノーラン監督でいう『フォロウィング』とかみたいな、その作家性がすごい純度で結実してる処女作で、出来云々じゃなく「すげー」って感心してしまう。すげーやろ、これ。吉田恵輔映画、もうこの時点で確立してんの。すごくねーか。

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あべこうじじゃなかったらとんでもなく好きな作品だっただろうになあ。あべこうじのあべこうじさが鼻につきすぎて、もはや嫌悪で、本当にいやだった。せっかくほとんど知らん俳優だらけで構成されてるのに、ひとりだけ見たことある顔がいて、そいつが知ってるキャラクターで存在してるという不快。本当にもったいない。鈴木美生さんは本当によかった。最高に適度。


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ネタバレ
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・「リップ貸して」とか、オナニーのペンとか、細かい要素の段積み感はさすがすぎる。むしろ、「そんな丁寧に見せなくても俺わかってまっせ!ちゃんと注目してまっせ!わからんやつなんか置いて行きましょうよへへ」ってわかってるぶりっ子したくなるくらいの。

・あべこうじが残念すぎた前半だけど、露骨にフィックスにするっていう撮り方も、すこししつこい気も。質感もあいまって、無駄に意味深長な「怖さ」が出ちゃってて。『家族ゲーム』みたいな。むしろコミカルなカットバックとかで見せてもよかったのかも、そしたらもっと「あーバカな男のあるあるコメディなのねー」って手のひらで踊れた。

・時系列が追い付いたのちの、ラストのフィックス長回しはマジで絶品だった。中央で鼻血だして呆けてる彼女、まわりでバタバタする人間たち。画面は落ち着いてるのに、ハラハラハラハラ、ハラハラハラハラ。

・「あたし、がんばるから」って台詞の神経逆撫で感は、絶対わざとだろうな。あれなんなんだろうなー。「がんばるから」って言われた瞬間になにかがエグいくらい冷めるもんなー。そのせいか、シーンバック相手のあべこうじカップルにも嫌悪が伝染して、「ブスが泣いてんじゃねーよ」「もうなんかお前らずっとそうしてろよ興味ねーよ」って辛辣な暴言がふつふつ湧いて来ちゃう。
「かわいいなー」って思わされてた女の子を「めんどくせえな」と思わせ、恋愛のキラキラの側面を見せて「いいなー」って思わせといて「付き合うとかやっぱだりい」って思わせる。まんまと、だよなあ。

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性格悪いところ露わにされすぎて、もはや清々しいわ。
観直し。

鈴木美生ちゃんのお人形感に終始ニンマリしてしまう。
演技の巧い子役じゃダメなんです。
役者としてもルックスも無垢が故に、悲喜劇がより際立つ構造に、奇しくもなってる。
もちろん自主制作というジャンルでしか成立しない部分ではあるんですがねえ。

原作付きの最近の映画よりこういうテイストの吉田作品の方が好きだったりします。
T兵衞

T兵衞の感想・評価

3.7
後に『ヒメアノ~ル』や『さんかく』でより洗練される二幕構成。本作ではさほど上手く機能していない印象。監督の共通テーマ現実認識の齟齬にほとんど繋がって来なかったのも残念かなぁ。
まさかのあべこうじ主演。

勘違い男と高校生男女のそれぞれの視点から。
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