こしあん

パプリカのこしあんのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
5.0
私にとってパプリカと言えば、空前絶後の大ブームとなったあの歌でもなく、カラフルでオシャレで食べやすいピーマンでもなく、この映画です。

定期的に観たくて観たくてふるえちゃう中毒性の高い映画。
好きゆえに、なんだか畏れ多くて、レビューできずにいましたが、最近また観たので。

タイ料理みたいにクセ強めなので、好きな人にはたまらないけど、苦手な人は苦手だと思います😅

  ♪昨日見た夢 今日の夢
   浮かれ浮世の憂さ晴らし
   神も仏も宗旨替え
   浮かれ浮世の憂さ晴らし

パレードの口上のセリフまわしとリズム、訳の分からない気持ち悪さがたまらなく好き。
鳥居にお神輿、まねきねこ、カエル、不気味な人形、だるま、ロボット、冷蔵庫、甲冑、世界の神々、紙吹雪……。
音楽も色使いもしゃべり方も笑い方もグニャグニャした動きも最高。

こんな悪夢なら見てみたい。

罪悪感、嫉妬、不安、欲望、希望。
抑圧している感情が夢となり、パレードとなってあふれ出す。

夢と現実がごちゃごちゃになるところや街を飛び回る疾走感、言いようのないゾワゾワ感などは、『PERFECT BLUE』に通じるものがある。

幻想的な映像をひたすら浴びながら酔いしれる作品。
イマジネーションの壮大さとセンスにひれ伏します。
そして映画愛もたっぷり。

巨大化する日本人形、ちょっと前に観た珍作『恐怖人形』にもありましたが、本作のほうが断然不気味でエモいよ!
こしあん

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