イチロヲ

ワックス・ワークのイチロヲのレビュー・感想・評価

ワックス・ワーク(1988年製作の映画)
3.5
怪しげな蝋人形館に招待された6人組の男女グループが奇々怪々な怪異現象に見舞われる。意図的なユルさが際立っている、ホラー・コメディ。

一夜限りの出来事を描いたドラマかと思いきや、狼男、吸血鬼、ミイラ男などの古典ホラーの異世界に飛び込んだり、一旦館の外へと脱出したりなど、主人公グループがアグレッシブに動きまわる。そのため、良い意味で意表を突かれる。

蝋人形役の演者が小刻みに震えているところも、雰囲気作りやカットワークが雑なところも、可愛げがあるレベル。だが、サド侯爵のエピソードまで出しておいて、女優のヌードが一寸も見られないのは、どうにも納得できない。

完成度はさておき、古典への愛情がきちんと感じられる点においては、好印象を受ける。「ホラーとコメディは表裏一体」の法則と、80年代ホラーのユルい乗りを楽しむことができる佳作。
イチロヲ

イチロヲ