トーク・トゥ・ハーのマーくんパパのネタバレレビュー・内容・結末

ジャーナリストマルコと女闘牛士リディア、バレエ教室生徒アリシアと介護士ベニグノ、２組の愛の物語。というか事故で植物人間となった愛する女２人を見守る男２人の物語。というか究極的にはバレエ教室で踊るアリシアを隣りのアパート部屋から覗き見て一方的に恋焦がれたベニグノの献身的愛の物語。ベニグノは昏睡から目覚めることは絶望的な彼女に毎日語りかけ（しかもアリシアにとっては一度道端で財布を拾ってくれた一介の見も知らぬ男）、結婚まで望む異常な愛の昇華と独占欲。レイプ妊娠の疑いかけられ逮捕、刑務所送りになっても（ホントは誰が犯人かは明かされない所が微妙だけど、彼が犯人だろうね）、アリシアのことだけを思い続け再度会えることはないと知らされ絶望して死んでしまう。これだけ全身全霊で愛し話しかけ介護尽くすならレイプという言葉は不似合い、許してあげてと思っちゃうのは間違いか？奇跡的に回復し意識を取り戻したアリシア、“マルコとアリシア”が最後の短いチャプター、語り続けられたことがDNA に刻まれているかのようにアリシアから見も知らぬマルコに一言語りかける。できたらチャップリン『街の灯』のような救いのある結末にして欲しかった気もするが、植物人間に話し続ける事は無意味だと思っていたマルコの方に語られた事が重要なのかも。