今年は韓国映画開拓だ〜!
ポン・ジュノ監督×ウォンビン
…ならばこれを、とお勧め頂いたので鑑賞。
知的障がいの息子トジュン(ウォンビン)と母(キム・ヘジャ)。母一人子一人で暮らしていたが、女子高生殺害の容疑者としてトジュンが捕まり、彼らの運命の歯車が狂い出す。
冒頭、草原で一人踊る母。
もう、このしょっぱなのシーンからヤバイ。この人はヤバイ。こんなシーンから始める監督がヤバイ。ただならぬ雰囲気で物語は幕を開ける。
成人している息子と同じベッドで寝る母。
この親子、普通じゃない。
訳もわからぬまま、罪を認めてしまったトジュン。
息子の無実を証明する為、母は警察にも頼らず、独自の捜査を始める。
母が求めている真実。
しかし、その真実は彼女が求めていたものとは違うものだった…。
愛が暴走し、やがて狂気へと変わる過程が凄まじい。
母の目から見れば彼はいつも幼な子の様な眼差しで。
それでも、時折その眼差しに光が戻り、忘れたかったある事件について語り、思い出させる。
この息子、怖い!!
でもその母は、もっと怖い!!
トジュンを演じるウォンビン。
普段虚ろな瞳でヘラヘラしているのに、時折真実を射抜く様な眼差しを見せる、その瞬間の演技が俊逸。
ああ、正義って何だろう。
親子の愛って何だろう。
人間は時に鬼になる。悪魔になる。
その人ではないものに変貌する瞬間を見せつけてくれる衝撃作。
心のしこりや思い煩いを忘れ去れるツボがあるという。
鍼を刺したら、後は踊ろう。
息子の正体も、
その手についた血の匂いも、
今はひととき忘れて、ただ踊ろう。
…す、す、凄まじい。
韓国映画のこの重さ。
心がささくれる様な感覚。
うん、嫌いじゃない。
むしろ好きだ!!