ギリシャ-ローマ時代に逆戻りしたような戦わねば市民権のないディストピア世界で虫型異星生物と戦うSFアクション。ヴァーホーヴェン監督らしく志願兵達の日常ドラマとグチャドロなスプラッターと戦意高揚プロパガンダ映像を交互に挟むブラック・ユーモアのキレが鋭い。彼らが戦場で不気味な虫達と戦ってグチャグチャに手足をもがれ脳を吸い取られ無様に死んでいく様子をふんだんに見せてくれるのはもちろん、挫折・成長・恋愛等の至って平凡な青春ドラマをやる中で「ヘルメットが合わない～」とか何とか言っている1人の頭がいきなりバーンと爆発四散して訓練中事故死するような、人の生命の軽さがとんでもない露悪コメディは終始苦笑を誘うような楽しさ。だが、いかんせん戦闘シーンのバリバリヒャッハーなトーンにチョイチョイついていけない瞬間があるのだった。
