kou

遊星からの物体Xのkouのレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
4.0
SFホラーとして、しっかり怖くて、気持ち悪い。また、正体不明の敵も怖いのだが、それよりも仲間同士で疑心暗鬼となって行く様、次第に恐怖にとわられて気が狂って行く様が余計恐ろしかった。

80年台初頭とは思えないほどの地球外生命体の描写の細やかさ。動きの豊かさから来る気持ち悪さ。どろどろとした見た目と、無数の触手の暴れ回る姿、擬態した生命体を取り込み続ける様が今見てもハイクオリティ。素晴らしかった。

また、映画の始まり方もいい。ヘリコプターとそれに追われる犬。雪原に響き渡るヘリの音と銃声。静かだが、たしかに何か異常なことが起こり始めていることを予想させる。

閉鎖空間ならではの心理描写、追い詰め方も素晴らしく、怖さをたたみかけて行く。あらゆる面で間違いなく面白い一作になっており、SFホラー映画の金字塔であることに納得する。ラストの後味も最高。素晴らしかった。
kou

kou