父母ともに癌

ブルーノの父母ともに癌のレビュー・感想・評価

ブルーノ(2009年製作の映画)
2.5
不愉快なユーモアなんですけど、ちょっと不愉快が勝っているというか、不愉快に振り切れていないというか。
画面で繰り広げられる不愉快の背景に制作側のフツーのモラルが厳然とあって、それがなんかイマイチなんですよ。
逆説的に露わになるモラルが行儀が良すぎる。
「同性愛でもいいじゃない」
「チャリティなんか持てるものの娯楽だ」
「平和というのは難しい」
そんなことこっちはわかってんだよ。

モラルが無いとモラルの無さをユーモアにできないとは言うけれど、こういう型で不謹慎に表現が為されるなら僕はそのモラルにセンスオブワンダーというか、世界の新しい見え方を求めてしまう。
世界を壊さない、ひっくり返さない不謹慎なんて、不謹慎ぶったマジョリティのモラルの押し付けでしかないでしょう。

ボラットは面白かったんやけどなあ。
なんでやろか。
父母ともに癌

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