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名もなく貧しく美しくのditaのレビュー・感想・評価

名もなく貧しく美しく(1961年製作の映画)
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つらくくるしく傷つくこともたくさんあるけれど、慎ましく静かに、わたしだけの世界を守りながら生きてきた。あなたと出会って広がった世界は、変わらずつらくくるしく傷つくことだらけだった。それでもわたしとあなたの世界にはほほえみがあった。しあわせがあった。

音のない世界にはうつくしいことばがあった。触れる手と手のぬくもりがあった。名もない家族の貧しく苦しい世界。それでもわたしとあなたの世界はうつくしかった。

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世代によって生き方に関する考えが違うことがとてもよかった。たとえ騙されてもご飯が食べられればしあわせという祖母。普通ではないのだからと今の環境を受け入れる夫婦。何も言わないから馬鹿にされるんだと声を上げる子。どの「個人」も否定しないことで浮かび上がる社会の厳しさ。これからは世界を広げようと誓い合った矢先の悲劇。おい加山!ひどいぞ!(八つ当たりですごめんなさい)
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