ゆきゆき

その土曜日、7時58分のゆきゆきのレビュー・感想・評価

その土曜日、7時58分(2007年製作の映画)
3.8
名監督シドニー・ルメットの遺作。出来心と些細な失敗から崩壊していく家族の物語。

とりあえず出てくる奴ら全員クズだし同情できない。横領がバレそうなバカ兄と、甲斐性無しで兄嫁と不倫するバカ弟。そして強権的で今の兄弟像を作った原因の父親に、浅はかな行動で傷つく母親。兄弟が強盗計画を思いつく前から崩壊の芽はあったのだろう。

個人的には父親から謝罪された兄の「今更謝って水に流そうなんてムシが良すぎる!」と泣き出すシーンが心にグサリとくる。ラストの父親の行動など完全に自分勝手。自らが撒いた種の末路でもあるのだが。

名優たちの演技はすばらしく、悲劇の連続に翻弄される姿には笑えてくる。フィリップ・シーモア・ホフマンはさすがですね。
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