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姉妹のotomのレビュー・感想・評価

姉妹(1955年製作の映画)
5.0
先日の『異母兄弟』に続いて。面白いなぁ家城巳代治作品。設定は特需の前くらいだと思うんだけど、上昇傾向でありつつも、戦後の数々のヘビーで暗いエピソード満載。そんな中で全てを明るくしちゃうコンチこと中原ひとみはとっても良い子。図式とすると集団主義の中にひとり個人主義みたいな感じで、キャッキャッした女学生時代の純粋無垢の化身みたいな子が大人世界と正論の通じない社会に溢れる『何故』の洗礼を受けてプロ市民かなんかにならないかだけが心配。対極となる野添ひとみことお姉ちゃんの麗しい設定もばっちり。脚本に名前を連ねる新藤兼人に、望月優子にDV泰ちゃんにと周りも厚い。昭和的な人への思いやりも正しい言葉遣いも、現代から見ていると如何に多くのものを失ってしまったかと思わざるを得ない。
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