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怪猫岡崎騒動のmitakosamaのレビュー・感想・評価

怪猫岡崎騒動(1954年製作の映画)
3.0
デアゴスティーニで初鑑賞。
入江たか子の化け猫映画第三弾。なんでも佐賀・有馬・岡崎が三大化猫なんだと。今回は岡崎。戦前にも何度か映画化されてるらしい。

アクションも多めなサービス精神有る作りで現代的にも見える。が、一方で演出はクラシカルだなぁ。怪奇描写にはお約束過ぎる歌舞伎の「ヒュードロ」があったりする。更には四谷怪談の戸板返しまで使われてる。
もちろんお約束の手招きで相手を操りクルクル回す一連のアクションも抑えてる。

岡崎藩主に対し、弟がその座を奪い悪を尽くすという話。
家督が継げなかった事と、藩主の側室の萩(入江たか子)への恋慕。とにかくコンプレックスの塊で藩主を殺しちゃう。
兄嫁を手篭めにしようと必死必死。小悪党感満載だ。

悪人が因果により呪い殺される、というフォーマットは同じだが、この時期は化猫キャラに対し悪を挫くダークヒーローなニュアンスも望まれたらしい。今で言うキャットウーマンだ。
故に怨みを晴らす以外に、子供を守る為に戦うという大義名分が出来た。

もうさ、壁に塗り込めても、壁を破壊して飛び出してくるんだ。母の愛は強い。
でも観音様と一緒に壁に塗られたら封印された。
封印を解かないと息子が殺されちゃう。焦らす演出。

ストーリー展開が退屈させない様に組まれていて、しかも和テイストも全開。海外で受けるのはこういう映画なんじゃなかろうか。
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