KnightsofOdessa

泥酔夢のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

泥酔夢(1934年製作の映画)
5.0
[バークレーショットの真ん中から女優がカメラに向かって飛んでくるぞ!!] 100点

このレビューシーンは人生ベスト。大金持ちの叔父エズラから品行方正なら金をやると言われたホラスおじさんがハッスルしまくって、娘バーバラがチャラ男のレビュー作家ジミーと交際するのを止めようとしたり、たまたま列車で同室になった女優バーバラの存在に手を焼いたりと大変な目に合う。そして、そのバーバラに金を巻き上げられてボストンで禁止されそうな"ミュージカル"に金を出す羽目になり、そんな不埒なものはぶっ潰そうぜ!とエズラが輩系男子を引き連れて乗り込むが、場を荒らす役目を負ったエズラ以下ホラスやその妻マチルダも酔っ払って色々大変になる。そんな物語はどうでもいい。バスビー・バークレーが発狂したレベルでイカれたレビューシーン20分のために物語が存在すると言っても過言ではない。

僕の眼は君を見るためにある、とディック・パウエルが歌い出すと広告の女性たちが次々とルビー・キーラーに変わっていき、今度は暗闇をバックにキーラーの顔だけパネルを持った何十人ものダンサーたちがそれを揺らしながら踊り始め、一頻り踊ったかと思うと全員が集まって巨大なキーラーの顔を作り出し、その目にクローズアップすると中々キーラーが出てくるのだ。続くレビューシーンも朝起きてからの風呂や化粧を100人くらい並べるショットの強さが頭おかしい。だって風呂が100個くらい並んだショットとか観たことないでしょ。しかも、バークレーショットの真ん中から人がカメラに向かって飛んでくるという意味分からんシーンまで存在し、締めは引きのバークレショットを突き破ってパウエルが出てくるという最高にイカれたものだ。バークレーショットって真上から100人くらいの人間万華鏡を上から撮ってるショットなんだけど、女優がカメラに向かって飛んでくるとか頭おかし過ぎでしょ!!

結末をもうちょっとなんとかして欲しい感じはするが、このレビューシーンで満足っすね。人生ベスト。
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