塔の上のカバンツェル

ゾディアックの塔の上のカバンツェルのネタバレレビュー・内容・結末

ゾディアック(2006年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

フィンチャー版、「殺人の追憶」なのかなって思った

実際の史実、連続殺人鬼"ゾディアック"をモチーフにしてるわけだけど、
サスペンス要素よりも事件を追う側の不手際だったり連携不足からくる苛立ちや焦燥感をメインに描く。

時間の真相が見えかけた瞬間に肩透かしを喰らうもどかしさや、鬱憤が鬱々と重なる映画だった。
ただ、ジレンホールが真犯人とされる被疑者の顔を確かめて終わるラストは、殺人の追憶にはなかったせめてもの手心を感じる

暗い画に、思わせぶりな構図や、ナチュラルにショッキングな演出はフィンチャーみがあって大好き

地下室のシーンは、執着心から病んでいくジレンホールの演技も相まって緊張感Maxだった

連続殺人鬼"ゾディアック"が、ダーティハリーのスコルピオのモデルらしいが、アメリカンカルチャーに与えた影響は大きかったんだなと。
映画内でダーティハリーを鑑賞してマークラファロが辟易するあたり、メタ構造を入れ込んでくるフィンチャー感