bluetokyo

トラック野郎 天下御免のbluetokyoのレビュー・感想・評価

トラック野郎 天下御免(1976年製作の映画)
3.8
シリーズものだと、だんだん、マンネリに陥って、つまらなくなるものなのだが、トラック野郎シリーズは、逆に完成度を増してくるように思える。今回は泣けるようなシーンもあり、とてもいい仕上がりとなっている。
珍しくヌードシーン(ソープランド)はない。ないけど、完成度が高いのでどうでもいい。
相変わらず、ヒロインは本筋とは関係ない。

簡単にあらすじ。
星桃次郎とジョナサンは、四国へ。
帰りに、倉敷にあるドライブインかざぐるまへ寄る。店主の亀頭夫婦から、子どもがいないので、養子に誰か子どもをもらえないかと、ジョナサンは相談を受ける。ジョナサンは最初は反対だった。
家に帰ると、妻の君江も相談を受けていて、狭い家のことを考えると、泣く泣く、三女を養子に出すことになった。

桃次郎は、コリーダから、トラック勝負を挑まれる。走行中、桃次郎のトラックの前に女性が飛び出してきた。その女性、坂口千津は妊娠していて、出産間近で、陣痛が始まってしまった。
なんとか、無事出産、桃次郎の紹介で、ドライブインかざぐるまで働くことになった。
坂口千津は、夫婦でトラック運送をやっていたが、従業員が事故を起こしてしまい、賠償金の支払いが上手くいかず、夫は離婚届を置いて家を出てしまったのだ。自暴自棄になった出産間近の坂口千津は、思わずトラックの前に飛び出したのだ。

一方、ジョナサンは、四国で知り合った、我妻和歌子にドライブインかざぐるまの仕事を紹介するのだった。
帰ったとき、我妻和香子とのツーショット写真があって、妻の君江に不倫を疑われ、家族は全員出て行ってしまった。

桃次郎とコリーダは再戦。こんどは、コリーダの妹、須田雅美との結婚が条件だったが、殴り合いの喧嘩勝負になり、結局、引き分けた。

一方、ジョナサンの方は、カネのために、フリーのトラック運転手から運送会社のトラックのドライバーになっていた。

養子に行ったジョナサンの三女は、いつも、ドライブインかざぐるまの外で父親のジョナサンを待っている。そのことを知った、坂口千津は、もう一度、家出した夫とやり直そうと決心するのだった。

桃次郎とトラック仲間は、こっそりと、ジョナサンの妻、君江と家族を、ドライブインかざぐるまに呼び出した。さらに、ジョナサンも呼んで、対面させ、仲直り。亀頭夫婦にも子供ができたので、養子になっていた三女も、ジョナサン一家に戻ることになった。ジョナサンは号泣するのだった。
ここが本当にいいシーンだ。

一方、我妻和香子の家族が300万円の借金を作ってしまい、我妻和香子が困っていた。桃次郎がなんとかしようと思ったが、カネの当てはなかった。コリーダが、力を貸すと申し出た。自分の牛が闘牛大会に出る。自分の牛に賭ければ300万円できる、というのだ。
闘牛シーンは迫力があっていい。

桃次郎は300万円を我妻和香子に渡そうと思ったが、彼女には婚約者みたいなのがいるのでやめた。

一方、ジョナサンは、同僚で坂口松男という男と知り合うが、ひょんなことから、坂口千津の夫だということを知る。

坂口松男は、仕事中に事故を起こし、大怪我。しかも、鳥取から京都までの荷があった。ジョナサンは、桃次郎に応援を頼んだ。そのとき、松男が坂口千津の夫であるらしいことも伝えた。

桃次郎のトラックに坂口千津も同乗し、無事、荷物を京都に送り届けた。その足で、桃次郎は、松男の入院している病院へ。坂口千津と対面となる。桃次郎とジョナサン、帰り間際に、闘牛大会で得た300万円を置いていくのだった。

テーマは家族なんだろうけど。とても切なくなる映画だ。
bluetokyo

bluetokyo