行く先々で強姦被害を受けてしまう薄幸の女性(八城夏子)が、売春行為で生計を立てている気丈な女性(愛染恭子)と知り合う。抑制することができない情欲の恐怖を描いている、日活ロマンポルノ。題名は「やる」と読む。
主人公が安息の地を求めて移動を繰り返すのだが、あらゆる場所で無意識的に男を狂わせたあげく、その場で強姦されてしまう。「おまえもかよ!」というツッコミの連鎖が醍醐味となっている。
ドラマ面では、主人公とは正反対の立ち位置にいる、売春婦(愛染恭子)が良い仕事をしている。そして、「受け身になっていたらダメよ。ときには反抗しなくちゃね」と主人公を諭すシーンに真理がある。
湿っぽさと清々しさと「好い加減さ」が同居している、バイオレンス系ロマンポルノの教科書的作品。愛染恭子の腰のくびれは、何度見ても芸術の領域。