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吸血鬼のharuのレビュー・感想・評価

吸血鬼(1932年製作の映画)
4.0
ディズニーランドに行く時間がない方へ。

明確な描写なし、セリフほとんどなしのアート系ボヤボヤ映画。とりあえずタイトルから吸血鬼が登場するらしいことはわかりますが、登場人物の関係性とかイマイチ不明で、1回観ただけでは完全に理解するのは難しいかも知れません。しかも吸血鬼が血を吸ってるところは見せてくれないという、プライバシーがしっかり守られてるあたり、監督はきっとコンプライアンスに敏感な人だったんだと思われます。
とは言え中盤から吸血鬼の生態(?)について語られていくので、それに当てはめていけば敵と味方の区別はつきます。ニンニク&十字架要素はなかったですが、打倒吸血鬼の必殺技はありましたので満足です。音楽とか呪文(祈り?)がカリブの海賊みたいで、「オメェラ生きては帰ってこれねぇぞぉ」って言ってほしかったな!
全体的に映像も霞んでよく見えないんですが、Wikipediaによるとガーゼを当てて撮ったとかで雰囲気抜群。このボヤボヤ映像が本作の最大の魅力になっています。サスペンスと違い、ホラーってよくわからないところがあるからおもしろいんだと思うし、現実と夢の境界線が曖昧になるところなんかディズニーランドに行ったときと同じ感覚。だから終わったあとは、ゲートを抜けたときと同じ気持ちになりました。
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