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吸血鬼のchicaのネタバレレビュー・内容・結末

吸血鬼(1932年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

舞台は吸血鬼と悪魔と契約した医者、悪魔に取り憑かれた老婆によって女性と子供がほとんどいなくなった街。ある日旅の青年の部屋に街の老人の生霊がやってきて、娘を殺させるなと告げる。そして自分が死んだ時開けるようにと小包を残していく…

人口に膾炙した怪物・吸血鬼が題材にされてることにプラスして、古典映画だからもっとわかりやすい話なのだと思ってた。いわゆる吸血鬼が暗躍して人の血を吸いまくりニンニクと十字架で撃退されるみたいな、そんな筋を想像していたけれど全くそんな話ではない!

この映画にとって吸血鬼が一番大きなテーマであることは間違いない。しかし劇中純粋な吸血鬼は死体としてしかでてこない。本当の黒幕は、悪魔に命を売った医者、つまり人間だった。

あと初っ端からトリック撮影は素晴らしかった。影の逆再生は怖いというより可愛かったけど、重要な幽体離脱のシーンとか何度も現れる骸骨も、見てても面白かった。

静かに染み込んでくるような怖さがあった。それは映像でもしっかり伝わってくること。憑依された女の子のクロースアップとか…
スリラーのようにいかにも怖がらせようというのではなく、こんな風に怖がらせてくるとは…ドライヤーおそるべし、インテリジェント…

次はゲアトルードをもう一度
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