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ハプニングのkouのレビュー・感想・評価

ハプニング(2008年製作の映画)
2.0
《人間ドラマの薄さ》
シャマラン監督の映画。冒頭の部分で凄く惹きつけられて、ビジュアル的な新しさもあり、「これはすごい面白いかもしれない!」とも思ったのだが、やはりシャマラン。風呂敷をなかなか畳めない男。中盤ぐらいからこれは何なんだろうと思いながら観ていた。観終わって何だったんだとなる感覚が久しぶりにあった。

マーク・ウォルバーグ主演。ある日、ある場所にいた人達の連続した自殺が起こる。それはテロなのか、ウィルスなのか、マーク・ウォルバーグは妻と友人の子供を連れ、逃げていく。

冒頭の何分か、人が奇妙に何人も死んでいくところが観ていて凄くて、特にビルから次から次に人が落ちていく場面は本当にすごかった。これはすごい映画だなと思わせた。他にも車が木に衝突したり、巨大な芝刈り機に巻き込まれたり、人が自殺するシーンは観ていて新しく、面白かった。

しかし、人間ドラマが全くない。いつしか物語に対する興味を失ってしまうのだ。例えばマーク・ウォルバーグと妻の関係は、妻が隠し事をしていたことから不仲の状態から始まるのだが、ラストで彼女への愛を思い出して仲が治る。そして彼らの生活は続くのだ。しかしその過程が全く描ききれていなくてわからない。伝わってこないのだ。

考えれば考えるほど、色々と改善点がありそうな映画だが、序盤の勢いはとても良かった。また、観たことのないようなシーンも有ったりして、なんだかとても勿体無い作品だなと思ったりもした。
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