はやた

真夜中の虹のはやたのネタバレレビュー・内容・結末

真夜中の虹(1988年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

主人公カスリネンの父は主人公に車を渡し、拳銃自殺してしまう。
カスリネンは今までの貯金を全て下ろし、その車で南に向かうも、その道中のファストフード店の駐車場で出会った強盗に金を全て奪われてしまう。
それでもなんとか職にありつくカスリネン。駐車監視員であるイルメリに違反を見逃してもらう代わりに食事に奢る。それをきっかけに二人は関係を持つようになる。
同じ境遇の人間らに寝る場所を教えてもらうも、滞納し、追い出され、ついには車を売ってしまう。
そんな日々の中、彼の貯金を奪った強盗に出会う。奪い返そうとするものの警察が彼を止め、牢屋にいれられてしまう。
彼女に刑務所作業中に作った指輪を渡し、結婚の約束をした後、同室の犯罪者ミッコネンと脱走を企てる。
彼女の差し入れの中にあったやすりでベッドのパイプを切り取る。同室のミッコネンが自殺を偽装し、鍵を開け入り込んだ看守を昏倒させた。
売った車を奪い返したミッコネンは、彼女との結婚式を挙げ、警察から逃げながら偽造パスポートを手に入れるため奔走する。
頼った業者には吹っ掛けられ、結局銀行強盗のため車と拳銃を貸してもらう事になる。
銀行強盗をやりきるも、金の分け前で揉め、ミッコネンは殺されてしまう。その現場を見たカスリネンは業者を殺し、残ったパスポートで彼女と共に国外へと逃げる。
オーバーザレインボーが流れ、映画は幕を閉じる。

同監督の作品はいくつか見たが、労働者三部作はどれも一時間で終わる短い作品だった。
その中でもこの作品は同じテイストを保ちつつも、殺し合いという描写が唯一入っており、そこまでの下りもフィクション性の高い作品に仕上がっている。
ミッコネンが殺されてしまった時、思ったより悲しんだ自分がいたので、想像よりもこの作品に没入していたらしい。
自分が助からない事を悟り、主人公らの心配をするミッコネンのキャラクターが良い。

脱獄後の、もう犯罪者な事には変わりないからと言わんばかりに強者のふるまいをやり出す様がたまったストレスを解消してくれる。
はやた

はやた