フィンランドの北の果てにある炭鉱町。
閉山と共に失業とした主人公のカスリネンは、父親から白のキャデラックを譲り受ける。
「この町に住んでも仕事がない。南へ行け」と言い残し、持っていた銃で自殺した父親の言った通りに、形見となったキャデラックに乗ってヘルシンキへと向かう。
途中、銀行で下ろした全財産を暴漢に襲われて奪われてしまい、途方に暮れている時に婦人警官のイルメリと出会う。
息子を一人抱えている彼女もまた、お金に困っていた。
「ル・アーヴルの靴磨き」「希望のかなた」などの作品を手掛けたアキ・カウリスマキによる監督作品で、「パラダイスの夕暮れ」「真夜中の虹」「マッチ工場の少女」と続く労働者三部作の第二作目。
主人公に降りかかる悲劇の数々、それを淡々と描いてくという、序盤からカウリスマキ節炸裂の作品でした。
他の作品に比べていささかスリリングな展開が多め。その為かメリハリの効いたテンポの良い作品になっていると思いました。音楽のチョイスも勿論良し。
この先どうなるのやら…そんな期待と不安を観客の心に残しつつ、その時流れる音楽は「Over the Rainbow」。
3人は無事に虹を見ることができるのか?そんな疑問を残しつつ、エンドロールに入ります。
旅立った3人に思いを馳せつつ、こんな終わり方もいいなあ、と思いました。
あまり触れられなかったですが、カスリネンとミッコネンの友情も良かった。