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ピナ・バウシュ 夢の教室のromioのレビュー・感想・評価

ピナ・バウシュ 夢の教室(2010年製作の映画)
3.8
年末にこの映画が見れたことが幸せ。ともすれば5点を付けようか迷ったほど、笑いながら涙がこぼれた。全ての表現者、またその観客である我々に捧ぐ。

もともと自分はヴェンダース監督のピナが大好きで、あのキモい奴らの最高のダンスがまた見たい。ピナバウシェで検索した時にヒットしたこの作品。ピナの方では彼女が亡くなった後に彼女へと作られた作品であったが、こちらは夢の教室。彼女の元で練習している姿が見れるのかとちょー楽しみでした。
実際見てみるとなんと、出演者はほぼダンス初心者だったり、未経験者の中学、高校生!
そして踊るはピナバウシェの思い出の作品コンタクトホーフ。
10ヶ月のこの課題。
ハンターハンターの会長並の鬼課題であります。
そもそも、このコンテンポラリーダンスという、自分たちがやっている意味が分からないという子供たちがとても可愛い。
俺も見ていて分からない笑
コンテンポラリーダンスとはと調べると、ヒップホップ、バレエ、ジャズ、という既定のジャンルに含まれないものとある。
んんん??
つまり枠組みが何もないのだ。
そこにあるのは表現するということ。
コンテンポラリーと名うっているもののそこにあるのは、ダンスが生まれた当初の姿があり、アクロバティックであったりキレのある動きに見慣れた自分達に、本来のダンスというものを見せてくれる。
これが最高なのだ!!

おっと映画の話に戻すと、
もともとちょっとダンスに興味を持っていたり、ピナバウシェの元で踊れるのはチャンスと思い来た子、俳優志望だがダンスはためになるしと来た子などなど。
動機もバラバラ、ダンスも下手にも程がある子たちが、10ヶ月間、コーチと共に、頑張っていく。
これが、ブレイクやロックダンスであれば決まった技を磨いていけばいいが、こちらは表現力を磨いていくというのがとても面白い!
やることは普段からやっている、笑ったり、怒ったり、ジャケットをきたり脱いだり、帽子をかぶったり、置いたりということ。
だけに難しい。
それはダンスというよりも演技に近いのかもしれない。
教える方も大変で、もっと自分をさらけ出して。
できないわ!
一緒にやろう。
全然無理だわ!どうすればいいの!
思春期真っ只中の彼らのその頑張ろうという気持ちと気恥しさが痛いほど分かります。
その子たちの踊る姿にたまに鳥肌が止まらないのと語る女コーチの言葉を胸を打ちます。
いつしか自分もそほ子供たち、親心のコーチ両方に感情移入してしまい、涙が止まらないのです。
プロが、80あるものを100に近づけるのではなく、表現するということにおいて等身大の彼ららが0から1へと足を進める過程を切り取った、とても素敵なドキュメンタリー作品でした。
いやー、この一点を突き詰めてやってくれたら5点でも良かったですが、間、間に挟まれる各人のインタビューがけっこう邪魔でした。
軽い紹介ならいいんですが、父親を失った話や、自分には彼女がいてとめっちゃ話す男など、そのパーソナルな話は個人的にはいらなかったです。そこが残念!
ただとてもおすすめです!

見終わった後は本家が非常に見たくなること間違いなし笑
続けて、ピナ踊り続ける命を借りることを激しくおすすめします。
やっぱ上手い完成されたダンスが見たい!