このレビューはネタバレを含みます
🌙2025.04.10_134
“忘れられた小さな傑作”
監督、主演、脚本を務めたバーバラ・ローデンの監督デビュー作にして遺作となった本作は1970年のヴェネツィア国際映画祭最優秀外国映画賞を受賞するも、アメリカではニューヨークの映画館1館で1週間上映されたのみだった。
今見るには正直少し退屈ではあるけどなぜか惹かれる。
冒頭から夫と離婚、子供たちも夫の元へ、仕事はクビになり全財産盗まれる。これでもかと言うほど不幸な状況になるワンダ。そして流れに身を任せるまま犯罪の共犯者として見知らぬ男と旅に。離婚裁判の時も子供の親権の時も共犯になった時も夜中にハンバーガーを買いに行かされた時もずっと投げやりに見える。彼女はどうすれば幸せになれたのだろうか。
ケリー・ライカート監督が本作に影響を受け「リバー・オブ・グラス」を製作したそうで、正直あまり「リバー・オブ・グラス」は刺さらなかったけど本作を見て思い返してみると色々腑に落ちた。