あると

仮面ライダーZOのあるとのレビュー・感想・評価

仮面ライダーZO(1992年製作の映画)
4.2
今では牙狼で有名な雨宮慶太監督の初の全国公開作品。また、仮面ライダーシリーズ初の劇場オリジナル作品。

▼ストーリー
遺伝子工学の権威・望月博士によって生み出された「ネオ生命体」ドラスが暴走し、より完成された生物になるために博士の息子・宏を誘拐して人質にとり博士に手術を迫ろうと目論む。一方、同じく望月博士によってバッタの遺伝子を組み込まれた博士の助手・麻生勝は謎の声に導かれ博士の息子を守るために立ち上がる。1人の少年を巡り、ドラスと仮面ライダーの激しい闘いの幕が上がるというお話。

東映スーパーヒーローフェアの3本立ての1作として上映されたため48分と短いながら、ストーリーはテンポ良くまとめられ全く退屈せず観られました。むしろもっと長尺で観たかったほど。少年をひたすら追いかける怪人と守ろうとするヒーローの構図がターミネーターを彷彿させます。製作費は3億円でそれを聞いたアメリカの映画関係者は「なんであれだけのものがそんな低予算で作れるのか」と驚いたそうな。市場規模が異なるハリウッドと比べれば低予算は仕方ない気がするも、低予算でおさめるために撮影を1ヶ月でクランクアップして、残り2か月であれだけのものに仕上げてしまうスピード感は本当に驚きます。
原点回帰をテーマに、積極的にCGを取り入れたそれまでにない斬新な映像表現、雨宮慶太氏のグロテスクで生物的なクリーチャーデザインが仮面ライダーシリーズに新しい風を吹き込んでくれました。川村栄二氏による音楽も秀逸で、物語に深みを与え場面に応じて効果的に使用されていました。
括り的に平成ライダーに入らず、マイナーな作品として扱われているのが残念ですがいまだ何度も観たくなる大好きな作品。
infixが歌う主題歌「愛が止まらない」も最高。

強いて言えば、最後のライダーキック。
ワイヤーアクションで振り子のような軌道になってしまい不自然なのが残念…
あると

あると