あや

かげろうのあやのレビュー・感想・評価

かげろう(2003年製作の映画)
3.9
第二次世界大戦下、未亡人のオディールは13歳の息子と幼い娘を連れて避難している途中に一斉爆撃に遭ったところをミステリアスな青年に助けられる。ある古い洋館にたどり着いた4人はそこにしばらく避難することにするが…



ジャケットからして、未亡人のオディールと青年イヴァンが愛に溺れる話かと思いきや切なくて胸が打たれる話だった。
最初はオディールも警戒するのですが、無学のイヴァンに読み書きを教えたりでだんだん二人の距離が縮まっていきます。

イヴァンに食事をさせているときに、急にイヴァンが「妻になってくれ」「二人で誰も知らないところで暮らそう。君の好きなようにしたらいいよ」とオディールに迫るシーンは親の愛を知らないまま育ち、オディールに母性を求めていて胸がキュッとなる。でもこの天国のような暮らしもいつまでも続くわけではなく…


イヴァン演じるギャスパー・ウリエルはこの作品でほぼ新人というから驚く。
坊主なのにハンパない色気が溢れていて、夜の森でオディールの体を求めるシーンはめちゃくちゃエロい。
色気だけでなく、無愛想で"大人になりきれてない子ども"でも内面にある嫉妬や愛を繊細な演技で表現していてうまいな〜と思った。隠れた名作
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