あや

さらば、わが愛 覇王別姫のあやのネタバレレビュー・内容・結末

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

もう大号泣。
本当の傑作だった。いろんな人から「観た方いいよ!」といわれてたけど、やっと4K版で観れた。

なんかもう一晩経っても、映像美と大河のようなボリューム感の歴史ドラマに圧倒されてまだ感想がまとまらない、、、
激動の中国で運命に翻弄される蝶衣、ずーっと「なんで蝶衣がこんな目に遭わなきゃいけないの、、、🥲」と思いながら観てた。
エロ爺キモすぎだろ。でも有力者だったジジイが、新体制になりタバコを売る浮浪者になっていた場面で、当時の中国の時代が凄かったこと理解した。

物語は二人が練習をするところから始まり、小楼の「久々に会ったのは10年ぶり…」にすかさず「11年ぶりだけどね」と訂正を入れる蝶衣、小楼のことめっちゃ好きじゃん💖💖

セリフを間違えると何度も何度も打たれるのに蝶衣が「男として生を受け、、、」と間違えていたのは、蝶衣は自身の身体性が"男性"だと思っていたから。
袁が言うように、やがて蝶衣は「男性と女性の境目がわからなくなるほど」の境地を達した演技をする。女形のレスリー・チャンが妖艶で、しなやかな動きで舞い、とってもセクシーな視線でびっくりした、、、

蝶衣に感情移入しながら観ていたから、小楼と結婚した菊仙に「ポッと出の女に、共に苦汁を味わった小楼を取られてたまるか」の気持ちだったけど、菊仙もまた時代に翻弄されながら生きた女性で、小楼に裏切られたのは蝶衣と一緒なんだよね、、と思った。
(このへんの自己批判のところはまだ10代の監督が、映画監督だった父の自己批判を強要させられた過去に影響されていることを知った)
阿片を吸った蝶衣が、介助した菊仙に一瞬母を見たところで泣いた。

二度目はラストで『覇王別姫』の通り、喉を切って死んだ蝶衣に「小豆子」と呼びかけるシーンでクソ号泣。
あや

あや