イェジー・スコリモフスキがアメリカで撮った、良くも悪くもポーランドっぽくないアメリカンニューシネマ時代のカルト映画って作品。
職場の先輩に恋して暴走する少年の姿は確かに溌剌としていたんだけど、カメラも同様に動き回るせいもあって胃もたれする箇所が結構あったのはちょっと困り物だった。
映像や演出における面白さも出発とか60年代の作品の方が長けていたように思うし、ヒロインの等身大パネルを使ったシーンとか後半の精子のメタファーみたいなマラソン以降の展開は割と面白かったものの、スコリモフスキの過去の作品と比べてしまったら全体的には物足りなさを覚える出来だった。
公開から大分経ってリバイバル上映されるってものだから、ずっと気になっていたこともあり期待値が高くなってしまったのだけど、残念ながらその期待値を超えることはできなかった作品。
嫌いではないけど他の人ほどハマれなかったって感じだったけど、これはどんよりした雰囲気のアンナと過ごした四日間とかの方を好む自分の好みの問題でもあるんだろうな。