イエジー・スコリモフスキの初期の代表作ともいえる一本。若い童貞くんが年上のお姉さんに恋をし、生意気に背伸びしてあれこれちょっかいをかけるが華麗にスルーされていき...大人でもあり子供でもある年齢の男子のある意味不可解な行動にはその世代を通ってきたものとして苦笑いする他ない(笑)。徐々に気持ちが暴走していくあたりに傍から見ると異常さを覚えるのだが、そう思える感覚自体も人生の幅が広がったからこそなのかもしれない。ビビッドな色遣い、それに反比例するような会話の中での細やかな心理の炙り出しなど、細部に巨匠の技術が光る。
