ゆき

音のない世界でのゆきのレビュー・感想・評価

音のない世界で(1992年製作の映画)
3.9
ろうの社会

寄り添った映像、という打ち出しが非常に納得できるドキュメンタリーだった。
マイクをいじったり、カメラをちらりと見たり、語る以外の些細な所作にとても愛溢れる時間。
母国語と手話のバイリンガルを育てたいと話す手話教師のシーンと、発声練習を主とする聾学校の取り組みが交差する展開。そして、生活も垣間見られる一作。
学校を一歩出たときの子供たちの表情の違いがとても印象的。それぞれの家族のバランスの話も。
補聴器を外して静かな世界に戻るとホッとするという話は自分の勘違いに気づくきっかけになった。
健常者が権力を握ることが多い世の中で、生きる兆しを見つけながら、国を超えて交流する人たちの豊かな感性を知れたことはすごくいい機会。
自分を象徴する手話はどんなものになるんだろう。
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パリのろう学校に通う生徒たち、自身もろう者である手話教師らを追う。
ゆき

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