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ダイヤルMを廻せ!のRyuのレビュー・感想・評価

ダイヤルMを廻せ!(1954年製作の映画)
3.7
アルフレッド・ヒッチコック監督とグレース・ケリーがはじめて組んだ作品。

お金持ちの妻 マーゴが推理作家のマークと浮気していることを知った元テニス選手のトニー。彼は妻を殺害して財産を手に入れようと計画を練る。そこで彼は大学時代の知り合いスワンを呼び寄せて、彼の過去の悪行を事前に調べあげていたトニーは、それでスワンを脅して計画に加担させる。

基本的にトニーとマーゴ夫妻の自宅がメイン舞台となっており、ほとんどが会話劇のワンシチュエーションのサスペンスとなっています。犯人も犯行の中身を全部が最初からわかっている状態で話が進むので、バレるんじゃないか、上手くいかないんじゃないか というハラハラ感を楽しめます。予想外のことが起こり、どんどん危なくなっていく主人公と証拠を見つけようとする警部との頭脳戦が見応えがありました。キャラクターもそんなに多くないし、一人一人がしっかりと際立っていた印象です。スワン氏はちょっと扱いが可哀想でしたが(笑)。殺すのはもちろんいけないことですが、やはり事の発端が不倫なので最終的にもちょっとモヤモヤ感が残りました。普通なら「殺ってまえ!」とトニーを応援するところですが、グレース・ケリーの洗練された美しさとヒッチコック作品らしい女性の追い詰められる様などで、ちょっとだけマーゴに対して可哀想だという気持ちも芽生えたりもしました。人と描き方ってやっぱり重要ですね。お約束のヒッチコック監督のカメオ出演、今回は大学の同窓会の写真で登場!最近は一発で見つけられることが多くてちょっと嬉しいです(笑)。それと、2時間もないのにインターミッションがあったのはなんでやろ?
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