Ryu

誰よりも狙われた男のRyuのレビュー・感想・評価

誰よりも狙われた男(2014年製作の映画)
3.5
ドイツ ハンブルク。諜報機関のテロ対策チームを率いるギュンター・バッハマンは、イッサ・カルロフ という青年が密入国した という情報を掴む。彼はイスラム過激派組織の一員として指名手配されていた。CIAも介入してきて、イッサを逮捕しようとするが、ギュンターはイッサをあえて泳がせて、更なる大物の逮捕を狙っていた。

名優 フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作となった作品。
同じくジョン・ル・カレの小説を映画化した「裏切りのサーカス」で頭がパンクしたアホの自分としては、今作でも序盤の方は誰がどういう人で、何をしようとしてるのか がわからなかったりもしました。徐々に事の中身が見えてきて、「どうなる?どうなる?」と見ていたら、唐突なラスト。これがリアルな諜報ってやつなんですかね。
弁護士も銀行家も主人公も、何とか事を良い方向へ持っていこうと頑張っていたけど、全部を持っていってしまうCIAが恐ろしい。
終始静かな作風で、事の中身があんまりわかってない時から、なんだか不安になるような感じでした。ヒリヒリとした緊迫感があって、じわじわとくる魅力がありました。
今作が遺作となったフィリップ・シーモア・ホフマンが主演を飾り、レイチェル・マクアダムスにウィレム・デフォー、ロビン・ライト と中々の面子が脇を固め、作品をより重厚なものにしています。
非常に地味なテイストで、スパイ映画っていう言葉でイメージするアクション満載のカッコイイ映画とは似ても似つかないですが、これぞホンモノのスパイ映画って感じの作品でした。
Ryu

Ryu