救貧院を追放された少年オリバー・ツイスト（マーク・レスター）はドジャー（ジャック・ワイルド）に誘われ、フェイギン（ロン・ムーディー）率いるスリ集団に入る。しかし、初めての仕事で警察に捕まり、それをきっかけに貴族の家に引き取られる。それを知った悪党たちはオリバーを拉致しようとする。
ディケンズの小説のミュージカル舞台版を、「ミュンヘンへの夜行列車」「第三の男」のキャロル・リード監督が映画化した作品。
50年代まで作られていた、豪華絢爛なミュージカルの装いを残した作りで、ストーリーも音楽も大いに楽しめる。
数年後に「小さな恋のメロディ」で再共演するマーク・レスターとジャック・ワイルドのコンビが嬉しくて、特に前半の市場でのシーンなどは軽快！
デヴィッド・リーン監督の「オリヴァ・ツイスト」よりも、こちらのミュージカルの方が、原作のファンタジー感が膨らんでいて好きだった。
有名な悪党キャラクターであるフェイギンもどこか愛嬌があって、ドジャーと去っていく結末はなんだか爽やかだ。
この作品で真に醜悪なのは、裕福な家に引き取られたオリバーに対して、密告阻止を口実に、実は嫉妬心から行動を起こすビル・サイクスと言えるだろう。
あと、ナンシー役のシャニ・ウォリスの歌がいい！酒場でのウンパパ♪ウンパパ♬が楽しかった。
