友ニ

シド・アンド・ナンシーの友ニのレビュー・感想・評価

シド・アンド・ナンシー(1986年製作の映画)
3.8
 パンク版ボニー&クライド。
 パンクロッカーに対するイメージそのままに、ひたすらドラッグ依存へ突き進む伝説のパンクスS.ヴィシャス。
 J.ロットンがまともにみえるほどの濫れっぷりは、次第に痛々しくて見ていられなくなってきます。

 ロック好きとしては演奏やライブシーンに目が行ってしまいますが、あくまでパートナーナンシーとの恋愛が主題です。
 互いが共依存の関係で、ドラッグを除けばある意味美しい恋愛だと言えます。ナンシーは不器用ながらもシドに献身的です。
シドもそれに応えようと頑張ろうとはしています。
 しかし、結局はドラッグしかなかったのでしょうね、二人の頼る術は。もっと周りの大人たちに理解があれば、また違っていたのかもしれません。

 そして一人の人間としてのS.ヴィシャス、ドラッグ依存症ではないS.ヴィシャスはどんな男だったのか?
 唯一、子供達に悪事を嗜めているシーン。あれが彼の本質を表していたのではないかと想像してしまいます。

 今、作るのであればもっとそのあたりを掘り下げて描くのでしょうが、まだまだあの時代ではセンセーショナルな視点からの方がニーズに合っていたのかもしれません。
 
 
友ニ

友ニ