パンク版ボニー&クライド。
パンクロッカーに対するイメージそのままに、ひたすらドラッグ依存へ突き進む伝説のパンクスS.ヴィシャス。
J.ロットンがまともにみえるほどの濫れっぷりは、次第に痛々しくて見ていられなくなってきます。
ロック好きとしては演奏やライブシーンに目が行ってしまいますが、あくまでパートナーナンシーとの恋愛が主題です。
互いが共依存の関係で、ドラッグを除けばある意味美しい恋愛だと言えます。ナンシーは不器用ながらもシドに献身的です。
シドもそれに応えようと頑張ろうとはしています。
しかし、結局はドラッグしかなかったのでしょうね、二人の頼る術は。もっと周りの大人たちに理解があれば、また違っていたのかもしれません。
そして一人の人間としてのS.ヴィシャス、ドラッグ依存症ではないS.ヴィシャスはどんな男だったのか?
唯一、子供達に悪事を嗜めているシーン。あれが彼の本質を表していたのではないかと想像してしまいます。
今、作るのであればもっとそのあたりを掘り下げて描くのでしょうが、まだまだあの時代ではセンセーショナルな視点からの方がニーズに合っていたのかもしれません。